WordCloudを用いたPC利用時の発話可視化手法の提案

スマートウォッチなどの普及により,個人のライフログを残すことが容易になった.しかし,個人のライフログとして発話情報を利用する試みは少ない.そこで本研究は,話者が気軽に日常を振り返ることを目的に, PC本体から流れる音声(PC音声)とPCを利用するユーザの音声(ユーザ発話)を同時に記録する.さらに,両者をWordCloud等を用いて可視化することで,PCの利用場面と発話内容を同時に可視化する振り返りシステムを提案する.

提案の概要

発表

  • 友広 純々野, 塚田 浩二. ワードクラウドを用いたPC利用時の発話場面の分析と応用. 情報処理学会研究報告, 2023-HCI-202(20), pp.1-7. 2023-3. [PDF]
  • 友広 純々野, 塚田 浩二. WordCloudを用いたPC利用時の発話可視化手法の提案. WISS2022予稿集, 1-A04. 2022-12. 【ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン賞】 [PDF]

日常生活における私的発話識別法の提案

人々は他者との意思疎通を目的としない発話,いわゆる独り言を日常の中で発している.本研究ではこの発話を私的発話と呼ぶ.私的発話の中でも発話者が意識的に発するとされるセルフトークがスポーツ界において運動パフォーマンスを向上させる手段として注目されている.意識的な私的発話がある一方で,無意識的に発せられている私的発話も存在し,どちらも発話内容が記憶に残りにくいという特徴がある.
本研究は,これらの私的発話を,2 種類のマイク(単一指向性/全指向性)を用いて記録し,音声認識ライブラリを用いて文字起こしされたテキストデータと,音声データを発話者のライフログとして振り返ることができるシステムを提案する.本システムにより,発話時間や発話内容から,話者本人のその日の出来事を想起させたり,隠れたアイデアの発掘ができると考える.

私的発話識別の流れ.個人の発話と周辺音を含む発話を 2 種のマイクで記録し,音声認識ライブラリを用いて発話をテキストデータに変換し,認識文字数を比較する.

記録デバイスの構成(左)と,マイクの装着位置(右)

発表

  • 友広 純々野, 塚田 浩二. 日常生活における私的発話識別法の提案. 情報処理学会研究報告, 2021-HCI-194(6), pp.1-6, 2021-08. [PDF]

SlipWatcher : スマートウォッチを利用した行動確認装置

日常生活の中で何度も繰り返される行動は,無意識に行われることが多く,やり忘れが起こりやすい.さらに,実際には忘れていなくても,記憶が曖昧で不安に駆られることがある.例えば,外出する際に鍵を閉めたか,ガスの元栓は閉めたか,部屋の照明は消したか,などが心配になる場合がある.こうした状況では,現場に戻って確認すれば不安は解消されるが,現実的には困難であり,不安を抱えたまま1日を過ごすことも多い.そこで本研究では,ヒューマンエラーの一種であるAction Slipの脱落という種類のエラーに注目し,スマートウォッチやスマートフォン,RFIDを搭載した自作デバイスを活用することで,記憶の曖昧な行動を手軽に振り返ることができるシステム「SlipWatcher」を提案する.行動を記録し振り返る手段を提供することで,Action Slipへの気づきを促したり,現場に戻り行動の確認をする必要なく不安を取り除くことが期待される.

発表

  • 蛯名真紀,沖真帆,塚田浩二.SlipWatcher: スマートウォッチを利用した行動確認装置.ソフトウェア科学会 WISS2016 論文集,pp. 291-292, 2016. [pdf]

生活を「彩る」ライフログデバイス

近年,スマートフォンやウェアラブルデバイスの普及に伴い,ライフログの分野が活性化している.しかし,カメラを用いた画像ベースのライフログは,膨大な量の写真を振り返ることが難しいことやプライバシーの問題から,本格的な普及には至っていない.そこで本研究では,こうした問題を解決するための一手法として,写真の色に着目し,色を記録するウェアラブルデバイスを提案する.

デバイスの外観とシステム構成
代表色と特徴色の抽出例と実データを用いた可視化例(5名分)


発表

  • 木村繁基,沖真帆,塚田浩二,生活を「彩る」ライフログデバイスの提案,インタラクション2017論文集,インタラクティブ発表,pp.207-209, 1-506-27, Mar, 2017.[PDF]

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