RayLeight: レイリー散乱を用いた柔軟なタンジブルディスプレイ

本研究では、青空や夕焼けを生むレイリー散乱という現象に着目し、身近な素材を用いてレイリー散乱を再現するディスプレイ「RayLeight」を提案する。(1) レイリー散乱現象を引き起こす素材を、取り回しが容易で配置の自由度が高い形に加工(部品化)し、(2) 光源と組み合わせたディスプレイを設計すること、をコンセプトとして、二つのデバイスを開発した。

アクリルエマルジョンを用いたマトリクスディスプレイ

アクリルエマルジョン(市販のフローリングワックス)を溶かした溶液を封入したセルをマトリクス状に配置し、底面から白色LEDを照射することで、任意の部品の色を変化させるディスプレイを試作した。

4 × 2 に部品を配置して底面LEDを全点灯したときの側面(左)と上面(右)の表示例

ホットボンドスティックを用いたタンジブルディスプレイ

市販のホットボンドの樹脂スティック(以下、スティック)に白色 LED を投射することで、レイリー散乱が発生することに着目した。スティックは身近な素材で入手が容易であり、柔らかくしならせることができる特徴がある。こうしたスティックの特徴を活かした、カスタマイズ可能なタンジブルディスプレイを開発した。

システム外観(左)。時間帯によって発色を切り替え、青空と夕空を表現する作例(右).

発表

  • 袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight: レイリー散乱を用いた柔軟なタンジブルディスプレイの試作と評価. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-207(14), pp.1-8. 2024-3. [PDF]
  • 袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight:レイリー散乱を用いた柔軟なタンジブルディスプレイの試作. インタラクション2024論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 3C-69, pp.1354-1359. 2024-3. [PDF]
  • 袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight : レイリー散乱を用いた立体ディスプレイの試作. WISS2022予稿集, デモ発表, 3-A08. 2022-12. [PDF]
  • 袴田 結女,沖 真帆,塚田 浩二.RayLeight: レイリー散乱を用いたマトリクスディスプレイの提案.情報処理学会研究報告,2022-EC-63(12),pp.1-7.2022-03-11.[PDF]


習慣的なゴミ捨てを楽しく支援するゴミ箱型デバイス

本研究では ,家庭内でのゴミ捨てに着目し,習慣的なゴミ捨てを楽しく支援するゴミ箱型デバイスを提案する.本デバイスでは,複数のセンサを組み合わせてゴミの状態を検出し,LEDマトリクスを用いてリアルタイムに可視化することで,ユーザの行動変容を狙う.

デバイス構成
ゴミを捨てる毎に,ディスプレイ内にブロックが出現し下方に積まれていく.ブロックのサイズはゴミの重さに応じて変化する.生ゴミ等のにおいを検知すると特殊なアイコンを表示し(図中央),ゴミが一定量を超えるとゴミ回収を促すアニメーションを表示する(図右).

発表

  • 金野 文哉, 塚田 浩二. 習慣的なゴミ捨てを楽しく支援するゴミ箱型デバイスの試作. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-207(19), pp.1-8 . 2024-3. [PDF]
  • 金野 文哉,塚田 浩二. 習慣的なゴミ捨てを楽しく支援するゴミ箱型デバイス. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表, 3B-49, pp.977-980. 2023-3. [PDF]

多様な学習状況をフィードバックするペン型デバイス

近年,初等教育をはじめとする教育現場では自律的な学習の重要性が高まっており,その支援手段として様々な IoT 文具が提案されている.本研究では,学習状況を複数の LED アレイで可視化することで,学習を開始する動機付けや意欲の継続を促すペン型デバイスを提案する.学習状況はペン内蔵の LEDアレイでフィードバックされ,クラウド上のデータベースに保存される.さらに,このデータを活用することで,多様な学習状況(例:現在の自分, 遠隔にいる友人, 過去の自分)を複数のLEDアレイを用いて提示し, ユーザ自身が比較する学習状況を選択することで, 学習の動機付けや意欲向上を促す.

発表

  • 山本 悠太, 沖 真帆, 塚田 浩二. 多様な学習状況をフィードバックするペン型デバイスの提案. インタラクション2024論文集, インタラクティブ発表, 1B-52, pp.410-413. 2024-3. [PDF]

カーレースの技術向上を支援する荷重位置可視化デバイス

本研究では,車体にかかる荷重位置をリアルタイムに可視化するデバイスを製作する.このデバイスでは,荷重移動を検知するセンサ部と可視化するディスプレイ部で構成される.センサ部では加速度センサと角速度センサを用いて荷重移動を推定し,ディスプレイ部では水面のメタファで可視化を行う.ドライバーに荷重移動を分かりやすく伝達することで,運転技術の向上を目指す.

試作デバイスの外観と水面の可視化例.可視化手法は容器に入った水が揺れ動く様をモチーフにして,真上から見たときの波紋と横から見たときの水面が波打つ様子を,LEDの点灯アニメーションで表現している.
試作デバイスを車に設置して使用している例

発表

  • 老沼 響,塚田 浩二. カーレースの技術向上を支援する荷重位置可視化デバイス. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表, 2A-10, pp.494-497. 2023-3. [PDF]

MagTile:多様な操作が可能なマグネット式インタフェースの提案

本研究では、磁石のフィードバックを利用した入力デバイスを提案する。ボードとスイッチの2つのモジュールで構成され、ボードにスイッチを乗せて動かすことで操作する。操作方法は、回転・ピボット・押すの3種類に対応する。2つのモジュールには磁石が埋め込まれており、操作した際のフィードバックを触覚や音で得ることができる。また、操作をセンシングする電子回路はボード部/スイッチ部の一方に埋め込めばよいため、用途で使い分けることができる。

システム構成
磁石によるフィードバックを活用した3種類の操作
MagTileを用いた応用例の一つ。3種類の操作を使って、ボード裏に配置したLEDの色変更・輝度調整・全面への反映を行う。
MagTileを用いた応用例の一つ:研究室紹介装置。メンバーの名前が書かれたスイッチにIDタグを埋め込み、装置で固有IDを識別することで、そのメンバーのプロフィール情報や研究プロジェクトを表示/切り替えする。

発表・受賞

  • 晴山 京汰. Magtile. INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD2022(ISCA2022), デジタルコンテンツ部門, 入選作. https://kc-i.jp/activity/award/isca/2022/winner/ (最終アクセス:2023年2月21日)
  • 情報処理学会 EC研究会2021年度学生優秀賞 受賞.
  • 晴山 京汰,塚田 浩二.MagTile:多様な操作が可能なマグネット式インタフェースの試作.情報処理学会研究報告,2022-EC-63(14), pp.1-8.2022-03-11. [PDF]
  • 晴山 京汰,塚田 浩二.多様な操作が可能なマグネット式インタフェースの提案.WISS2021予稿集.デモ発表,3-B04. 2021-12.[PDF]

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