押しボタンは日常の様々な場所で利用される一般的な入力デバイスである.押しボタンの中にも多様な種類があり,押した時の感触(押し心地)が異なる.利用場面に適した押し心地は,システムの操作性を向上させる. そこで本研究では,一つの押しボタンに複数の押し心地を表現する機構を搭載し,動的に切り替え可能な押しボタン型デバイスを提案する.押しボタンの押し心地に影響する主な機構的特徴は,押下圧(ボタンを押すのに必要な力),クリック感(入力を受け付けた際のフィードバック),ストローク(最大までボタンを押したときの深さ)だが,本研究では押下圧とクリック感に焦点をあてたフィードバックを行う.
本研究のコンセプト.ボタンの押下圧等を変更することで,動的に押し心地を変更する
プロトタイプの外観と内部構造
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発表・採択
田原 和真, 塚田 浩二. 「推しボタンマトリクス」の提案と試作. 情報処理学会研究報告, 2026-HCI-217(3), pp.1-8. 2026-3. [PDF]
Kazuma Tahara and Koji Tsukada. Force Feedback Button that Focuses on Both Operation and Non-Operation. Proceedings of the SIGGRAPH Asia 2025 Posters. Article 35, pp. 1–2. 2025-12. https://doi.org/10.1145/3757374.3771494
田原 和真,塚田 浩二. 「推しボタンマトリクス」の提案とその応用. 日本ソフトウェア科学会 WISS2025 予稿集, デモ発表 1-A03. 2025-12. [PDF]
田原 和真, 塚田 浩二. 動的に押し心地が変化する押しボタンの試作と評価. 情報処理学会論文誌, Vol.66, No.2, pp. 354-365. 2025-2-15. https://doi.org/10.20729/0002000027 [PDF]
田原 和真, 塚田 浩二. ボタン自体をさりげなく駆動させる情報提示手法の提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2024 予稿集, デモ発表 3-A09. 2024-12. [PDF]
田原 和真.多様な操作環境に適した押し心地を生み出すスマートボタンの提案.一般社団法人新雪 「2024年度北海道ITクリエータ発掘・育成事業(新雪プログラム)」 採択.https://shinsetsu.hokkaido.jp/koubo/2024_result (最終アクセス:2024年09月25日)
田原和真, 塚田 浩二.動的に押し心地が変化する押しボタンの提案.日本ソフトウェア科学会 WISS2023予稿集,ロングティザー T04/デモ発表 3-B11.2023-12. [PDF] 【対話発表賞(一般)】
メディア
近年,ウェアラブル脳波計(EEG)の発展により,日常環境での連続的な脳波計測が容易になり,長期的な情動観察とセルフレギュレーションへの活用可能性が広がっている.しかし,脳波計の生データは一般ユーザにとって解釈が難しいため,長期的な情動の変化を直感的に理解できる表現が必要である. 本研究は,ウェアラブル脳波計 MUSE 2 で脳波をリアルタイム計測し,覚醒度と感情価に基づく情動状態を推定した上で,その結果をスクリーン上の電子生命体の形態変化として表現する情動フィードバックシステムを提案する.生命体の形態や色彩がダイナミックに変化し,時系列での感情の蓄積/習慣/トレンドを体現することで,ユーザの感情認識とセルフレギュレーションを支援する.また,局所規則で複雑さを創り出す自己組織化的な生体集団アルゴリズムによって,人間の脳活動や情動変化の複雑さと生命らしさを表現することで,美的価値と長期的に利用する動機づけの促進を図る.
異なる感情状態で生成されたパターン例(ラッセルの感情円環モデルに基づいて割当)
発表
チョウ ネイガク, 塚田 浩二. EEGと生体アルゴリズムを組み合わせた情動フィードバック手法の提案. 情報処理学会 インタラクション2026論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 3B30, pp.1031-1035. 2026-3. [PDF]
近年,HMD を用いた VR 体験を日常生活空間で行う機会が増加している.そうした環境では,VR体験中に日用品等の実物体を手に取りたかったり,逆に邪魔になったりする場面が存在する.そこで本研究では,VR 体験中に周囲の実物体の存在をさりげなく提示することで,実物体への誘導/回避を促す手法を提案する.画像認識で実物体の種類/位置を認識した上で,目的に応じて異なる視覚効果を提示する.例えば,誘導したい場合,実物体の位置に半透明の立方体を影のように表示して,ユーザの手と実物体の距離が近づくほど透明度を下げて,存在を感じやすくする.さらに,十分近い場合には立方体上に実世界の映像を重畳表示することで,ユーザが日用品等を手に取ることを支援する.
現実世界にある日用品をリアルタイムに認識し,VRで半透明の立方体が表示される.
手が近づいたとき、日用品の領域を実世界の映像に切り替えることで,ユーザの行為を支援する.
発表
尾崎 陽彦, 塚田 浩二. CommoditiyShadows:仮想世界から実物体への誘導/回避を促すインタラクション手法の提案. 情報処理学会 インタラクション2026論文集, インタラクティブ発表, 1B43, pp.316-318. 2026-3. [PDF]
没入型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は,現実空間の視界を遮断することで高い没入感を得られるが,仮想空間と現実空間でのタスク切替に難があるため,日常生活で長く利用することは難しい.そこで,片目を隠す動作でコンテンツを手軽に切り替え可能なインタラクション手法 HidEye を提案する.HMD に特殊なセンサ等を付与することなく,自然な動作で仮想空間と現実空間のタスクをなめらかに連携することを目指す.
本研究のコンセプト.VR コンテンツ使用中に片目を隠す動作を行うことで,VR コンテンツとパススルーの重畳表示を行う.
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発表
Koji Tsukada, Ryunosuke Ise, Maho Oki. HidEye: HMD Interaction Method by Hiding One Eye. Journal of Information Processing, 2026, Volume 34, Pages 51-58. 2026-02-16. http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.34.51
伊勢 隆之介, 塚田 浩二. HidEye:片目を隠す動作によるHMD用インタラクション手法の提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2024 予稿集, 登壇発表/デモ発表, pp. 9-15. 2024-12. [PDF]
Ryunosuke Ise and Koji Tsukada. HidEye: Proposal of HMD Interaction Method by Hiding One Eye. In SIGGRAPH Asia 2024 Posters (SA ’24). Article 10, pp. 1–2. 2024. https://doi.org/10.1145/3681756.3697915 [PDF]
伊勢 隆之介, 塚田 浩二. HidEye:片目を隠す動作によるHMD用インタラクション手法の提案. 情報処理学会 インタラクション2024論文集, インタラクティブ発表, 1B-44, pp.377-379. 2024-3. [PDF] 【インタラクティブ発表賞(PC推薦)】
ルームスケール VR は,HMD 等を用いた VR 空間を「実際に歩き回る」体験を付与できるが,広大なスペースや大掛かりな機構が必要となる課題があった.本研究では,一つのポール状デバイスを中心として,省スペースで自然な VR 空間での移動体験を提供するシステム,「Pole-Scale VR」を提案する.ユーザは HMD を装着し,片手でポールを握った状態を初期状態として,ポールの周囲を回るように移動する.ポール状デバイスは軸に沿って回転し,ユーザの移動方向等を検出できる.さらに,フォースフィードバック機能を備えており,VR コンテンツと連動して引張/抵抗感等を提示する.ポールを中心として物理な移動範囲を自然に制限することで,省スペースで没入感の高い移動体験を提供することを目指す.
利用する様子とポール状デバイスの構造
アプリケーション例:FPSゲーム. 全方位から襲ってくる敵から旗を守るために,ポールの周囲を回転しながら戦う.敵の方向をデバイスの回転により提示する.
発表
今枝 和暉,田原 和真,塚田 浩二. Pole-Scale VR:ポール状デバイスを用いた省スペースなルームスケールVR環境の提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2025 予稿集, デモ発表 2-C05. 2025-12. [PDF]