液体ディスプレイには,柔軟な形状変化や液体の質感を活用できるといった特徴がある.本研究では,液体の中でも磁力によって容易に制御が可能な磁性流体に着目した.磁性流体とは,強磁性の粉末を分散させたコロイド溶液であり,強力な磁力を印加することでスパイク状に隆起する.このスパイク表現はメディアアート等で広く活用されており,強い存在感を持つ.そこで本研究では,磁性流体にオイルを混合させることで,棘のようなテクスチャを抑制し,なだらかな半球や余韻を表現して,スパイク表現と組み合わせて利用する.
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発表
野間 直生, 沖 真帆, 塚田 浩二. RippleSpike: スパイク表現と波紋表現を組み合わせた情報提示手法. 日本ソフトウェア科学会 WISS2024 予稿集, 登壇発表, pp. 100-106. 2024-12. [PDF]
野間 直生, 塚田 浩二. RippleSpike: スパイク表現と波紋表現を組み合わせたアンビエントディスプレイの試作と評価. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-207(13), pp.1-8. 2024-3. [PDF]
野間 直生, 塚田 浩二. RippleSpike: スパイク表現と波紋表現を組み合わせたアンビエントディスプレイ. 情報処理学会 インタラクション2024論文集, インタラクティブ発表, 1B-58, pp.433-438. 2024-3. [PDF]
野間 直生, 塚田 浩二. 磁性流体を用いたさりげない波紋表現手法の提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2022予稿集, 3-B12. 2022-12. [PDF]
本研究では,粘菌をデジタルファブリケーションの系に組み込むための自動培養システムを提案する.粘菌は環境や刺激に応じて,広がり方が異なる特性を持ち,HCI 研究や芸術表現にとって可能性のあるマテリアルである.一方,粘菌の培養を日常生活環境で行うことは難しい.湿度や温度を一定に保ったり,餌を適度に与えるだけでなく,培地を定期的に交換する必要がある.そこで,本提案では粘菌の自動培養装置「SlimeMolder」を開発し,多彩なインタラクションや表現分野で活用可能な,粘菌ファブリケーション基盤を構築する.
発表・採択
本研究では,安価な熱溶解積層方式の 3D プリンタで造形可能な細かい毛の集合体(毛構造)を活用した毛構造の拡張について提案する.先行研究で提案されていた毛構造の造形手法を活用し,導電性/磁性等を備えるフィラメントを造形に用いる方式や,柔軟に動かせるソフトレジンに毛を埋め込む方式を提案・試作する.
左から,導電性フィラメントで造形した毛構造,磁鉄PLA フィラメントで造形した毛構造と磁石,ソフトレジンを土台に用いた毛構造の例.
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発表
鎌田 航誠, 高橋 治輝, 塚田 浩二. 導電性/強磁性を併せ持つ毛状の入力インタフェースの提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2024 予稿集, デモ発表 2-B18. 2024-12. [PDF]
鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二.導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案.日本ソフトウェア科学会 WISS2023予稿集,登壇発表(ショート)/デモ発表,pp.69-75.2023-12.[PDF]
Kosei Kamata, Haruki Takahashi, and Koji Tsukada. 2023. Conductive, Ferromagnetic and Bendable 3D Printed Hair for Designing Interactive Objects. In Adjunct Proceedings of the 36th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST ’23 Adjunct). Article 62, pp. 1–3. 2023. https://doi.org/10.1145/3586182.3615823
鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二. 導電性樹脂・磁鉄樹脂を用いた毛構造の3Dプリントと応用. 情報処理学会 インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 2B-50, pp.681-685. 2023-3. [PDF] 【インタラクティブ発表賞(PC推薦)】
組紐は,柔軟性と強度を併せ持つため,固定や装飾等の多様な用途に利用できる.さらに,材料となる紐を変えることで,外観も美しくデザインできる.本研究では,導電糸と紐の組み方をカスタマイズすることで,異なる特性を持った導電組紐を製作する.さらに,製作した導電組紐の引っ張りや結んだ際の電気的な特性を測定し,その性能を調査する.これらの実験結果に基づき,導電組紐を活用したタンジブル・インタフェースの基礎検討を行う.
製作した導電組紐とその特徴
検証した8打ちのパターン(6種類・約20 cm)
発表
穂積 佳, 塚田 浩二, 吉田 博則. 導電糸を活用した組紐型タンジブル・インタフェースの基礎検討. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-208(24), pp.1-7. 2024-6. [PDF]
本研究では、青空や夕焼けを生むレイリー散乱という現象に着目し、身近な素材を用いてレイリー散乱を再現するディスプレイ「RayLeight」を提案する。(1) レイリー散乱現象を引き起こす素材を、取り回しが容易で配置の自由度が高い形に加工(部品化)し、(2) 光源と組み合わせたディスプレイを設計すること、をコンセプトとして、二つのデバイスを開発した。
アクリルエマルジョンを用いたマトリクスディスプレイ
アクリルエマルジョン(市販のフローリングワックス)を溶かした溶液を封入したセルをマトリクス状に配置し、底面から白色LEDを照射することで、任意の部品の色を変化させるディスプレイを試作した。
4 × 2 に部品を配置して底面LEDを全点灯したときの側面(左)と上面(右)の表示例
ホットボンドスティックを用いたタンジブルディスプレイ
市販のホットボンドの樹脂スティック(以下、スティック)に白色 LED を投射することで、レイリー散乱が発生することに着目した。スティックは身近な素材で入手が容易であり、柔らかくしならせることができる特徴がある。こうしたスティックの特徴を活かした、カスタマイズ可能なタンジブルディスプレイを開発した。
システム外観(左)。時間帯によって発色を切り替え、青空と夕空を表現する作例(右).
発表
袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight: レイリー散乱を用いた柔軟なタンジブルディスプレイの試作と評価. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-207(14), pp.1-8. 2024-3. [PDF]
袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight:レイリー散乱を用いた柔軟なタンジブルディスプレイの試作. インタラクション2024論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 3C-69, pp.1354-1359. 2024-3. [PDF]
袴田 結女, 沖 真帆, 塚田 浩二. RayLeight : レイリー散乱を用いた立体ディスプレイの試作. WISS2022予稿集, デモ発表, 3-A08. 2022-12. [PDF]
袴田 結女,沖 真帆,塚田 浩二.RayLeight: レイリー散乱を用いたマトリクスディスプレイの提案.情報処理学会研究報告,2022-EC-63(12),pp.1-7.2022-03-11.[PDF]