PartsSweeperを拡張した部品整理手法の提案

本研究は,先行研究である「PartsSweeper」を拡張し,実用性の向上を図る.PartsSweeper は,工作机の裏に磁石を設置して動かすことで,机上に散乱しやすい部品/工具等をさりげなく移動・整理するシステムである.一方,机上のゴミ等の非磁性体の移動や,部品や工具の細やかな分類には課題が残っていた.本研究では,こうした課題を解決するために,非磁性体を移動するための拡張パーツや,天板へのテクスチャ付与による分類手法を提案する.

机上のゴミ(非磁性体)を自動的に整理するツールの実装.先行研究ではツールが回転しゴミを取りこぼしているのに対し,本提案ではツールの回転は最小限に抑えられ,ゴミを残さず移動できている.

テクスチャ付加により部品と工具を移動中に分類する実験の一例.
机の表面に微細な凹凸(テクスチャ.動画の水色部分)を作成しておき,その上を通るように部品や工具を動かす.摩擦や移動経路によって,テクスチャの上に工具を残し部品のみ端に寄せる(またはその逆)ような,選択的な移動を狙う.

発表

  • 阿保 信宏,塚田 浩二.PartsSweeperを拡張した部品整理手法の提案.インタラクション2022論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),4D-05,pp.529-533,2022-03-01.[PDF]

PartsSweeper: 電子部品や工具をさりげなく整理するインタラクティブ・デスク

デスクワーク等を行う作業机,特に電子工作では多数の電子部品や工具が机の上に配置され,それらを組み合わせて使用するために煩雑になりがちである.本研究では,電子工作等の作業机に着目し,さりげなく机上の工具/部品等を移動・整理するシステム「PartsSweeper」を提案する.本システムは,机の裏に設置したXY プロッター,ヘッド部の2 種類の磁石と昇降機構,及び作業空間を入力するタブレット端末を中心に構成される.特別なセンシングを行うことなく,工具と電子部品を個別に移動/整理することを目指す.また本研究ではデバイスの製作を行い,そのデバイスの性能テスト,ユーザ評価を行った.その結果,机上での移動や電子部品と工具の分離において,煩雑になった電子工作における作業机を整理できるといった可能性を示した.

発表

  • 折原 征幸, 塚田 浩二. PartsSweeper:電子部品や工具をさりげなく整理するインタラクティブ・デスクの研究. 情報処理学会論文誌, Vol.63, No.2, pp.424-436. 2022-02-15. [PDF]
  • 折原 征幸,塚田 浩二,PartsSweeper: 電子部品や工具をさりげなく整理するインタラクティブ・デスクの試作と応用,WISS2020予稿集,pp.67-72,登壇発表(ショート),2020-12. [PDF]
  • 折原 征幸, 塚田 浩二,  PartsSweeper: 電子部品や工具をさりげなく整理するインタラクティブ・デスクの試作, 情報処理学会研究報告, 2020-HCI-189(18), pp.1-7, 2020-09. [PDF]
  • Masayuki Orihara and Koji Tsukada. PartsSweeper: interactive workbench to casually organize electronic parts and tools. In Proceedings of the 2019 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing and Proceedings of the 2019 ACM International Symposium on Wearable Computers (UbiComp/ISWC ’19). pp.339-341, 2019.[PDF]
  • 折原 征幸,塚田 浩二,PartsSweeper: 電子部品や工具をさりげなく整理するインタラクティブ・デスク,インタラクション2019論文集,インタラクティブ発表,2B-32,pp.586-589,2019.[PDF]

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