カーレースの技術向上を支援する荷重位置可視化デバイス

本研究では,車体にかかる荷重位置をリアルタイムに可視化するデバイスを製作する.このデバイスでは,荷重移動を検知するセンサ部と可視化するディスプレイ部で構成される.センサ部では加速度センサと角速度センサを用いて荷重移動を推定し,ディスプレイ部では水面のメタファで可視化を行う.ドライバーに荷重移動を分かりやすく伝達することで,運転技術の向上を目指す.

試作デバイスの外観と水面の可視化例.可視化手法は容器に入った水が揺れ動く様をモチーフにして,真上から見たときの波紋と横から見たときの水面が波打つ様子を,LEDの点灯アニメーションで表現している.
試作デバイスを車に設置して使用している例

発表

  • 老沼 響,塚田 浩二. カーレースの技術向上を支援する荷重位置可視化デバイス. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表, 2A-10, pp.494-497. 2023-3. [PDF]

車内コミュニケーションを支援する視点共有手法の提案

運転者と同乗者の間で「あの赤い屋根の家」や「そこの交差点」といった車外の場所を用いたコミュニケーションが行われる.こうしたコミュニケーションは,場所をポインティングする指示者と指示された場所を追随する追随者の間で行う.指示者は注目している目標物の座標(注目点)を言葉や目線,ジェスチャーなどを通して追随者に認識してもらう必要がある.本研究ではこの指示者と追随者の一連の動作をポインティング共有と呼ぶ.一方でポインティング共有は,指示者がポインティングを行っている注目点を追随者にうまく伝えることができず,失敗してしまうことがある.本研究では,目線と声に注目して運転者と同乗者のポインティング共有を支援するシステムを提案する.

システム構成図(左)と車内カメラの配置(右).
今回の実装では,内側カメラの映像とOpenFaceを用いて視線情報を取得し,指示者の注目点を推定した.
推定した注目点は,外側カメラの映像に重ねて表示する.本動画の赤枠が,推定した注目点を表す.

発表

  • 野間 直生,塚田 浩二.車内コミュニケーションを支援する視点共有手法の提案.インタラクション2022論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),6D-02,pp.751-754,2022-03-02.[PDF]

CARduino:自動車での利用に適したデバイスツールキット

Arduino などのマイコンベースのツールキットが普及し,様々な場面で利用されるようになりました.例えば,代表的なArduino UNOと比べ入出力端子を増やした「Arduino Mega」,Arduino UNOより小型な「Arduino Pro Mini」や他のデバイスとワイヤレスで通信することが可能な「BlendMicro」などがありますが,特定の状況での利用を想定しているものは多くありません.本研究では,マイコン/センサ/アクチュエータを自動車の中で利用することに焦点を当て,既存のツールキットを車内に設置する際に生じる外観/電源/固定等の問題を解決でき,電子工作の初学者にも扱いやすいArduino互換のデバイスツールキット「CARduino」を提案します.車内での利用に適するように,可能な限り小型のデバイスを目指し回路設計や筐体設計を行い,プロトタイプを試作しました.

発表

  • 山本貴文,沖真帆,塚田浩二: CARduino: 自動車での利用に適したデバイスツールキット,ソフトウェア科学会 WISS2014論文集, pp. 189-190 (Nov, 2014). [PDF]
  • 山本 貴文, 塚田 浩二, 沖 真帆, CARduino: 自動車での利用に適したデバイスツールキット, 情報処理学会第45回ユビキタスコンピューティング研究会, 2015-UBI-45(13), pp.1-6, Mar, 2015. [PDF]
  • 池田昂平, 山本貴文, 木村和弘,作品展示,第9 回金の卵オールスターデザインショーケース,AXIS Gallaly(六本木),2014/08/28-09/07,http://www.axisinc.co.jp/building/eventdetail/344

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