近年,HMD を用いた VR 体験を日常生活空間で行う機会が増加している.そうした環境では,VR体験中に日用品等の実物体を手に取りたかったり,逆に邪魔になったりする場面が存在する.そこで本研究では,VR 体験中に周囲の実物体の存在をさりげなく提示することで,実物体への誘導/回避を促す手法を提案する.画像認識で実物体の種類/位置を認識した上で,目的に応じて異なる視覚効果を提示する.例えば,誘導したい場合,実物体の位置に半透明の立方体を影のように表示して,ユーザの手と実物体の距離が近づくほど透明度を下げて,存在を感じやすくする.さらに,十分近い場合には立方体上に実世界の映像を重畳表示することで,ユーザが日用品等を手に取ることを支援する.
現実世界にある日用品をリアルタイムに認識し,VRで半透明の立方体が表示される.
手が近づいたとき、日用品の領域を実世界の映像に切り替えることで,ユーザの行為を支援する.
発表
- 尾崎 陽彦, 塚田 浩二. CommoditiyShadows:仮想世界から実物体への誘導/回避を促すインタラクション手法の提案. 情報処理学会 インタラクション2026論文集, インタラクティブ発表, 1B43, pp.316-318. 2026-3. [PDF]
ルームスケール VR は,HMD 等を用いた VR 空間を「実際に歩き回る」体験を付与できるが,広大なスペースや大掛かりな機構が必要となる課題があった.本研究では,一つのポール状デバイスを中心として,省スペースで自然な VR 空間での移動体験を提供するシステム,「Pole-Scale VR」を提案する.ユーザは HMD を装着し,片手でポールを握った状態を初期状態として,ポールの周囲を回るように移動する.ポール状デバイスは軸に沿って回転し,ユーザの移動方向等を検出できる.さらに,フォースフィードバック機能を備えており,VR コンテンツと連動して引張/抵抗感等を提示する.ポールを中心として物理な移動範囲を自然に制限することで,省スペースで没入感の高い移動体験を提供することを目指す.
利用する様子とポール状デバイスの構造
アプリケーション例:FPSゲーム.
全方位から襲ってくる敵から旗を守るために,ポールの周囲を回転しながら戦う.敵の方向をデバイスの回転により提示する.
発表
- 今枝 和暉,田原 和真,塚田 浩二. Pole-Scale VR:ポール状デバイスを用いた省スペースなルームスケールVR環境の提案. 日本ソフトウェア科学会 WISS2025 予稿集, デモ発表 2-C05. 2025-12. [PDF]
近年,ゲームやVR(Virtual Reality)コンテンツに適した多様なコントローラが提案されている.本研究では,日用品の種類・持ち方に応じて,VR コンテンツ内で道具を持ち替えるように扱えるコントローラの構築を目指す.身の回りには多様な日用品があるため,ユーザは自分の好みの形状/重さ/大きさを選択でき,そうした特性を活用した動きとゲーム内の操作を対応付けることで,斬新で分かりやすい操作体系を構築できる可能性がある.
基礎検討としてまず,持ち方の変化に注目して,スマートフォンを用いたプロトタイプを実装した.スマートフォンの持ち方によってHMD上のVR コンテンツ内の道具を切り替え,スマートフォンを動かした際の道具の機能が変化する.
本システムの利用状況と,スマートフォンの持ち方に応じて武器が切り替わる例
発表
- 尾崎 陽彦, 塚田 浩二. 日用品の特性に基づくVRコントローラの基礎検討. 情報処理学会 インタラクション2025論文集, インタラクティブ発表, 3B37, pp.1172-1175. 2025-3. [PDF]