車内コミュニケーションを支援する視点共有手法の提案

運転者と同乗者の間で「あの赤い屋根の家」や「そこの交差点」といった車外の場所を用いたコミュニケーションが行われる.こうしたコミュニケーションは,場所をポインティングする指示者と指示された場所を追随する追随者の間で行う.指示者は注目している目標物の座標(注目点)を言葉や目線,ジェスチャーなどを通して追随者に認識してもらう必要がある.本研究ではこの指示者と追随者の一連の動作をポインティング共有と呼ぶ.一方でポインティング共有は,指示者がポインティングを行っている注目点を追随者にうまく伝えることができず,失敗してしまうことがある.本研究では,目線と声に注目して運転者と同乗者のポインティング共有を支援するシステムを提案する.

システム構成図(左)と車内カメラの配置(右).
今回の実装では,内側カメラの映像とOpenFaceを用いて視線情報を取得し,指示者の注目点を推定した.
推定した注目点は,外側カメラの映像に重ねて表示する.本動画の赤枠が,推定した注目点を表す.

発表

  • 野間 直生,塚田 浩二.車内コミュニケーションを支援する視点共有手法の提案.インタラクション2022論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),6D-02,pp.751-754,2022-03-02.[PDF]

音を用いたカジュアルな遠隔コミュニケーションの拡張

Skype や Zoom 等に代表されるビデオ会議システムは,会議等のフォーマルな場面だけでなく,オンライン飲み会等のカジュアルな場面でも利用されることが増えてきた.こうした場面では,細かな感情や雰囲気が共有されにくい,自宅から参加できることから辞め時が難しいといった,遠隔コミュニケーションの特性や社会的な問題が絡み合って様々な課題が生じてくる.
本研究では,オンライン飲み会のような複数人でのカジュアルな遠隔コミュニケーション場面において,参加者の身振りや行動,雰囲気をきっかけに効果音やBGMなどのアンビエントな情報を付加することで,上述したような問題を軽減しつつ,魅力的な体験を生み出すことを目指す.こうしたカジュアルな遠隔コミュニケーション場面での効果音付与の可能性を探るために,Zoom 等のビデオ会議中に事前登録した任意の音を再生できる GUI アプリケーションを実装した.このアプリケーションを用いた評価実験を通して,効果音等の印象やコミュニケーションへの影響を調査した.

音提示アプリケーションの画面例(左)と,zoomを用いた評価実験の様子(右)

発表

  • 綿谷 晃太郎, 塚田 浩二. 音を用いたカジュアルな遠隔コミュニケーションの拡張. 情報処理学会研究報告, 2021-HCI-194(11), pp.1-7, 2021-08. [PDF] 【HCI研究会 学生奨励賞】

日常生活における私的発話識別法の提案

人々は他者との意思疎通を目的としない発話,いわゆる独り言を日常の中で発している.本研究ではこの発話を私的発話と呼ぶ.私的発話の中でも発話者が意識的に発するとされるセルフトークがスポーツ界において運動パフォーマンスを向上させる手段として注目されている.意識的な私的発話がある一方で,無意識的に発せられている私的発話も存在し,どちらも発話内容が記憶に残りにくいという特徴がある.
本研究は,これらの私的発話を,2 種類のマイク(単一指向性/全指向性)を用いて記録し,音声認識ライブラリを用いて文字起こしされたテキストデータと,音声データを発話者のライフログとして振り返ることができるシステムを提案する.本システムにより,発話時間や発話内容から,話者本人のその日の出来事を想起させたり,隠れたアイデアの発掘ができると考える.

私的発話識別の流れ.個人の発話と周辺音を含む発話を 2 種のマイクで記録し,音声認識ライブラリを用いて発話をテキストデータに変換し,認識文字数を比較する.

記録デバイスの構成(左)と,マイクの装着位置(右)

発表

  • 友広 純々野, 塚田 浩二. 日常生活における私的発話識別法の提案. 情報処理学会研究報告, 2021-HCI-194(6), pp.1-6, 2021-08. [PDF]

スコア重畳型のWordCloudを用いたレビュー提示手法

近年,オンラインショッピングは市場を拡大し続けている.オンラインショッピングでの商品の比較には,レビュースコアやレビューコメントが重要な役割を持つ.本研究では,複数の商品の性質を比較する手法として,WordCloudに着目した.まず,各商品のレビューコメント群を形態素解析して頻出語を抽出する.次に,各語が出現するコメントに対応するスコアを累計し,各語毎のスコアを算出する.こうして得られた頻出語に対して,各語毎のスコアで彩色することで,スコア情報を重畳表現できるWordCloudを作成する.

WordCloud作成例(左)とスコア~色の対応付け(右).今回の実装では,スコアの平均値に応じて文字色の濃淡を変化させて(高スコアは濃く,低スコアは薄く)表示する.

発表

  • 大野 湧,塚田 浩二.スコア重畳型のWordCloudを用いたレビュー提示手法.インタラクション2021論文集,インタラクティブ発表,3B10,pp.554-556,2021-03.[PDF]

Future Center における多機能家具の能動的な利用を促すシステムの提案

概要

近年,空間を効率的に使える多様な多機能家具が市場に出回っている.北海道函館市のFuture Center「はこだてみらい館」においても,多数のブロック型の多機能家具が設置されている.この多機能家具は来館者の創造力を刺激する目的で設置されており,来館者が自由に動かして活用することが運営者から期待されている.しかし現状では,ほとんどの来館者は設置されている多機能家具を動かさず,そのまま椅子や机として利用している.

この問題を解決するために,本研究では利用者に多機能家具の能動的な利用を促すインタラクティブ・システムを提案する.プロトタイプでは多機能家具にスマートフォンを取り付け,多機能家具活用のきっかけとなる動作(例:家具を重ねる/衝突させる)のインフォグラフィックスを提示し,その動作の検出と音/映像によるフィードバックを返す.これにより,来館者が自由に多機能家具を活用できる環境の構築を目指す.

はこだてみらい館の多機能家具

プロトタイプ外観

   「重ねる」「衝突」動作の提示例

 

発表

  • 清野 風人,塚田 浩二,仲松 聡,Future Centerにおける多機能家具の能動的な利用を促すシステムの提案,インタラクション2018論文集,インタラクティブ発表,2B54,pp.738-741,2018.[PDF]

SlipWatcher : スマートウォッチを利用した行動確認装置

日常生活の中で何度も繰り返される行動は,無意識に行われることが多く,やり忘れが起こりやすい.さらに,実際には忘れていなくても,記憶が曖昧で不安に駆られることがある.例えば,外出する際に鍵を閉めたか,ガスの元栓は閉めたか,部屋の照明は消したか,などが心配になる場合がある.こうした状況では,現場に戻って確認すれば不安は解消されるが,現実的には困難であり,不安を抱えたまま1日を過ごすことも多い.そこで本研究では,ヒューマンエラーの一種であるAction Slipの脱落という種類のエラーに注目し,スマートウォッチやスマートフォン,RFIDを搭載した自作デバイスを活用することで,記憶の曖昧な行動を手軽に振り返ることができるシステム「SlipWatcher」を提案する.行動を記録し振り返る手段を提供することで,Action Slipへの気づきを促したり,現場に戻り行動の確認をする必要なく不安を取り除くことが期待される.

対外発表

  • 蛯名真紀,沖真帆,塚田浩二.SlipWatcher: スマートウォッチを利用した行動確認装置.ソフトウェア科学会 WISS2016 論文集,pp. 291-292, 2016. [pdf]

生活を「彩る」ライフログデバイスの提案

近年,スマートフォンやウェアラブルデバイスの普及に伴い,ライフログの分野が活性化している.しかし,カメラを用いた画像ベースのライフログは,膨大な量の写真を振り返ることが難しいことやプライバシーの問題から,本格的な普及には至っていない.そこで本研究では,こうした問題を解決するための一手法として,写真の色に着目し,色を記録するウェアラブルデバイスを提案する.

デバイスの外観とシステム構成
代表色と特徴色の抽出例と実データを用いた可視化例(5名分)


発表

  • 木村繁基,沖真帆,塚田浩二,生活を「彩る」ライフログデバイスの提案,インタラクション2017論文集,インタラクティブ発表,pp.207-209, 1-506-27, Mar, 2017.[PDF]
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