導電糸を活用した組紐型タンジブル・インタフェース

組紐は,柔軟性と強度を併せ持つため,固定や装飾等の多様な用途に利用できる.さらに,材料となる紐を変えることで,外観も美しくデザインできる.本研究では,導電糸と紐の組み方をカスタマイズすることで,異なる特性を持った導電組紐を製作する.さらに,製作した導電組紐の引っ張りや結んだ際の電気的な特性を測定し,その性能を調査する.これらの実験結果に基づき,導電組紐を活用したタンジブル・インタフェースの基礎検討を行う.

製作した導電組紐とその特徴
検証した8打ちのパターン(6種類・約20 cm)

発表

  • 穂積 佳, 塚田 浩二, 吉田 博則. 導電糸を活用した組紐型タンジブル・インタフェースの基礎検討. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-208(24), pp.1-7. 2024-6. [PDF]

導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案

本研究では,安価な熱溶解積層方式の 3D プリンタで造形可能な細かい毛の集合体(毛構造)を活用した毛構造の拡張について提案する.先行研究で提案されていた毛構造の造形手法を活用し,導電性/磁性等を備えるフィラメントを造形に用いる方式や,柔軟に動かせるソフトレジンに毛を埋め込む方式を提案・試作する.

左から,導電性フィラメントで造形した毛構造,磁鉄PLA フィラメントで造形した毛構造と磁石,ソフトレジンを土台に用いた毛構造の例.


発表

  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二.導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案.WISS2023予稿集,登壇発表(ショート)/デモ発表,pp.69-75.2023-12.[PDF]
  • Kosei Kamata, Haruki Takahashi, and Koji Tsukada. 2023. Conductive, Ferromagnetic and Bendable 3D Printed Hair for Designing Interactive Objects. In Adjunct Proceedings of the 36th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST ’23 Adjunct). Article 62, pp. 1–3. 2023. https://doi.org/10.1145/3586182.3615823
  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二. 導電性樹脂・磁鉄樹脂を用いた毛構造の3Dプリントと応用. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 2B-50, pp.681-685. 2023-3. [PDF] 【インタラクティブ発表賞(PC推薦)】 

導電性インクを利用した読書行為推定手法の提案

近年,導電性素材を用いたインタラクション研究が盛んに行われており,特に導電性インクが注目されている.導電性インクは,一般的な家庭用のプリンタに導入して印刷によって容易に電子回路を作成できる点が特徴である.一方,導電性インクは単一の紙に印刷して利用されることが多く,複数枚の紙に印刷し,重ね合わせて利用した例は少ない.本研究では,導電性インクを複数枚の紙に印刷して重ね合わせたブック型デバイスと,センサデータの記録/振り返り用のアプリケーションを実装し,「ページのめくり方」「本の持ち方」といった読書行為の認識を試みる.さらに,読書の癖や読み方といった,読書状況の推定の可能性について議論する.

提案システムの利用例.「ページをめくる」「本を支える」といった読書行為を,導
電性インクを用いたタッチセンサで記録しつつ,動画と共に振り返る.

発表

  • 田口 克哉,塚田 浩二,導電性インクを利用した読書行為推定手法の提案,インタラクション2019論文集,インタラクティブ発表,2B-30,pp.576-579,2019.[PDF]

3Dプリンタを用いた弾力調整可能なコイルスプリングジョイント機構の提案

本研究では,弾力を調整可能なコイルスプリングジョイントを提案する.径/全長/ピッチ等のパラメータをプログラム上で調整し 3D プリンタで出力することで,弾力や強度の異なるスプリングを作成するシステムを試作した.コイルスプリングを専用の連結ジョイントで繋ぐことにより,スプリングを辺とした立体構造物を作成できる.さらに,本機構の応用例の一つとして導電性フィラメントで出力したスプリングを使った押し込みセンサを試作した.

 
OpenSCADで実装したコイルスプリングの例.特徴として,接続用のネジ溝とサポート部の除去を助ける傾斜を備える.

 
左から,3Dプリンタで出力したコイルスプリング,専用ジョイントとの連結,立体構造物の例.

発表

  • 新山 大翔, 沖 真帆, 塚田 浩二,3Dプリンタを用いた弾力調整可能なコイルスプリングジョイント機構の試作と評価,情報処理学会研究報告, 2019-HCI-182(33), pp.1-8 (2019-03-11). [PDF]
  • 新山 大翔,沖 真帆,塚田 浩二,3Dプリンタを用いた弾力調整可能なコイルスプリングジョイント機構の提案,インタラクション2018論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),3A14,pp.913-916,2018.[PDF]

LEGOrics: 外観を保ちつつ電気的に拡張したLEGOブロックの提案

近年、ブロック状のモジュールを組み合わせてインタラクティブに動作するシステムが数多く提案されている。しかし、これら既存のシステムの多くはブロックの形状が特殊であったり、電気的な配線を外部に取り回したりすることが多く、ブロックとしては扱いにくく美観も損ねてしまう問題があった。
本研究ではこれらのブロックの中でも特に古典的なLEGOブロックに着目し、その同じ形状・外観を保ちつつ、インタラクティブに動作する新しい電子ブロック「LEGOrics」を提案する。

legorics 光ってる写真
LEGOricsの外観

対外発表

  • 熊谷 明音,沖 真帆,塚田 浩二: LEGOrics: 外観を保ちつつ電気的に拡張したLEGOブロックの提案,情報処理学会 インタラクション2015論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表,一般公開発表),pp.598-601 (Mar, 2015). [PDF]

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