導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案

本研究では,安価な熱溶解積層方式の 3D プリンタで造形可能な細かい毛の集合体(毛構造)を活用した毛構造の拡張について提案する.先行研究で提案されていた毛構造の造形手法を活用し,導電性/磁性等を備えるフィラメントを造形に用いる方式や,柔軟に動かせるソフトレジンに毛を埋め込む方式を提案・試作する.

左から,導電性フィラメントで造形した毛構造,磁鉄PLA フィラメントで造形した毛構造と磁石,ソフトレジンを土台に用いた毛構造の例.


発表

  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二.導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案.WISS2023予稿集,登壇発表(ショート)/デモ発表,pp.69-75.2023-12.[PDF]
  • Kosei Kamata, Haruki Takahashi, and Koji Tsukada. 2023. Conductive, Ferromagnetic and Bendable 3D Printed Hair for Designing Interactive Objects. In Adjunct Proceedings of the 36th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST ’23 Adjunct). Article 62, pp. 1–3. 2023. https://doi.org/10.1145/3586182.3615823
  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二. 導電性樹脂・磁鉄樹脂を用いた毛構造の3Dプリントと応用. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 2B-50, pp.681-685. 2023-3. [PDF] 【インタラクティブ発表賞(PC推薦)】 

3Dプリンタを用いた封蝋表現手法

本研究では,熱溶解積層方式 3D プリンタを G-code で直接制御することで,封蝋表現を実現する手法を提案する.具体的には,ノズルの温度をフィラメントの適正温度よりも高温に設定し,一箇所に多量のフィラメントを押し出す.次に,手動または自動で型をフィラメントへ押し込むことで,樹脂を封蝋のように固定する.

発表


小型ロボットとテクスチャを組み合わせた情報提示手法

本研究では,複数台の小型ロボットとテクスチャを組み合わせた情報提示手法を提案する.交換可能なテクスチャを備えた小型ロボットを物理的に駆動し,形状/動き等を変化させることで,ユーザに対して触覚的/視覚的な情報提示を行う.

小型キューブ型ロボット toio を使用して実装を行った.利用例の一つを右図に示す.あらかじめ決められた時間になると小型ロボットがユーザの腕に向かって移動し,最初はなだらかなテクスチャで,徐々に鋭く刺激の強いテクスチャで刺激を与える.

発表

  • 家山 剣, 塚田 浩二. 小型ロボットとテクスチャを組み合わせた情報提示手法の提案. エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集, pp. 262-269. 2023-09-02.  http://id.nii.ac.jp/1001/00227384 【特選セッション発表認定】
  • 家山 剣, 塚田 浩二. 小型ロボットとテクスチャを組み合わせた情報提示手法の提案. WISS2022予稿集, デモ発表, 2-B16. 2022-12. [PDF]

ChromicCanvas: クロミック繊維を用いたインタラクティブキャンバスの提案

クロミック素材は,外部からの刺激によって色等が可逆的に変化する現象を示す物質である.さりげない質感変化が魅力であり,お湯を入れると色が変化するマグカップ等の小物製品にも利用されている.しかし,「有色から無色などの2 色間の遷移しかできない」,「一度変化パターンを決めると後から変更できない」といった制約があり,素材単独では柔軟な表現が難しかった.本提案では,クロミック素材とCNC ミシン等のデジタル工作機器を組み合わせることで,こうした問題点を解消した柔軟な表現手法を目指す.本稿では,クロミック素材の中からUV 刺繍糸を使い,多様な色/描画パターンを表現できるインタラクティブキャンバスChromicCanvas を提案する.

発表

  • Maho Oki, Mao Wakamoto, and Koji Tsukada. ChromicCanvas: Interactive Canvas Using Chromic Fiber. In HCI International 2023 Posters. HCII 2023. Communications in Computer and Information Science, vol 1832. pp. 280–287. 2023. https://doi.org/10.1007/978-3-031-35989-7_36 [PDF]
  • 沖 真帆 , 若本 麻央 , 塚田 浩二, ChromicCanvas: クロミック繊維を用いたインタラクティブキャンバスの試作と評価, 情報処理学会研究報告, 2019-HCI-185(26), pp.1-8, Nov, 2019. [PDF]
  • 若本 麻央,沖 真帆,塚田 浩二,ChromicCanvas: クロミック繊維を用いたインタラクティブキャンバスの提案,インタラクション2019論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),1B-45,pp.364-369,2019.[PDF]

RhinestonePrinter: カスタマイズ可能なラインストーン造形手法

カスタマイズ可能なラインストーン造形手法を提案する.本手法では,UV プリンタを用いてカラーインクで底面パターンを印刷し,その上に透明インクを盛り上げてストーンを印刷することで,ラインストーンを造形する.底面パターンや配色,印刷素材等をカスタマイズすることでラインストーンの外観をデザインすることができる.さらにレイアウトしたラインストーンは UV プリンタで一度にまとめて印刷することが可能である.

本手法で制作したラインストーン作品の外観と印刷用データ.(a) スマートフォンケース.(b) ステッカー.(c) アクセサリー

謝辞

本研究を進めるにあたり,FabLabSENDAI – FLAT にご協力いただきました.ありがとうございました.

発表・採択等

  • 島元 諒, 塚田 浩二. RhinestonePrinter: カスタマイズ可能なラインストーン造形手法の試作. 情報処理学会研究報告, 2023-HCI-202(25), pp.1-8. 2023-3. [PDF] 【HCI研究会 2022年度学生奨励賞】
  • ワークショップ.公立はこだて未来大学 塚田研究室 島元諒.オリジナルのステッカーを作ろう! ラインストーンワークショップ .FabLab SENDAI – FLAT.2022/12/18.[外部リンク(FabLab SENDAI)]
  • 島元 諒, 塚田 浩二. RhinestonePrinter: カスタマイズ可能なラインストーン造形手法の提案. WISS2022予稿集, ロングティザー発表 T05/デモ発表 2-C02. 2022-12. [PDF]
  • 島元 諒.UVプリンタを用いたラインストーン造形システムの開発.独立行政法人情報処理推進機構(IPA)2022年度未踏IT人材発掘・育成事業 採択.https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2022/gaiyou_ok-3.html 
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