日用品の挙動を記録/活用するスマートステッカー

近年,日用品にセンサを取り付けることで,既存の日用品の機能を拡張し,生活のサポートやコミュニケーションの促進を図る研究が盛んに行われている.しかし,既存の日用品を拡張しようとすると,センサの選定や取り付け位置,認識対象とする動作の登録に大きな手間がかかる.そこで,本研究では日用品の挙動を手軽に記録し,多様なアプリケーションに活用するスマートステッカー「DailyProbe」を提案・実装する.DailyProbe は,センサやディスプレイ,IoT マイコンで構成されており,手軽に日用品に着脱できる機構を持っている.ユーザは実際に日用品の動かしながら手軽に登録し,任意のアプリケーションに対するトリガーとして利用できる.

DailyProbeを日用品に貼り付け,利用時のセンサデータから特定のアクションを登録し,アプリケーションに活用する.この図では,ドアに取り付け開閉時の加速度センサデータ区間を選択・登録することで,ドア開閉の発生状況を時計アプリに反映する例を示す.

システム構成

発表

  • 佐藤 佑亮, 塚田 浩二. DailyProbe: 日用品の動作を記録・活用するスマートステッカーの試作と評価. 情報処理学会研究報告, 2024-HCI-207(25), pp.1-8. 2024-3. [PDF]
  • 佐藤 佑亮, 塚田 浩二.日用品の挙動を記録/活用するスマートステッカー.WISS2023予稿集,デモ発表 3-A07.2023-12.[PDF]

導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案

本研究では,安価な熱溶解積層方式の 3D プリンタで造形可能な細かい毛の集合体(毛構造)を活用した毛構造の拡張について提案する.先行研究で提案されていた毛構造の造形手法を活用し,導電性/磁性等を備えるフィラメントを造形に用いる方式や,柔軟に動かせるソフトレジンに毛を埋め込む方式を提案・試作する.

左から,導電性フィラメントで造形した毛構造,磁鉄PLA フィラメントで造形した毛構造と磁石,ソフトレジンを土台に用いた毛構造の例.


発表

  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二.導電性・強磁性・及び土台の可撓性を持つ毛構造の造形手法の提案.WISS2023予稿集,登壇発表(ショート)/デモ発表,pp.69-75.2023-12.[PDF]
  • Kosei Kamata, Haruki Takahashi, and Koji Tsukada. 2023. Conductive, Ferromagnetic and Bendable 3D Printed Hair for Designing Interactive Objects. In Adjunct Proceedings of the 36th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST ’23 Adjunct). Article 62, pp. 1–3. 2023. https://doi.org/10.1145/3586182.3615823
  • 鎌田 航誠,高橋 治輝,塚田 浩二. 導電性樹脂・磁鉄樹脂を用いた毛構造の3Dプリントと応用. インタラクション2023論文集, インタラクティブ発表(プレミアム発表), 2B-50, pp.681-685. 2023-3. [PDF] 【インタラクティブ発表賞(PC推薦)】 

3Dプリンタを用いた封蝋表現手法

本研究では,熱溶解積層方式 3D プリンタを G-code で直接制御することで,封蝋表現を実現する手法を提案する.具体的には,ノズルの温度をフィラメントの適正温度よりも高温に設定し,一箇所に多量のフィラメントを押し出す.次に,手動または自動で型をフィラメントへ押し込むことで,樹脂を封蝋のように固定する.

発表


実世界と動画を連携したIoTプログラミング学習支援

近年,IoTが一般化している中で,ArduinoやRaspberry PiなどのIoTデバイスの動作や仕組みを他者と共有する場面が増えてきている.この際,ソースコードやテキストのみではデバイスの振る舞いを伝えることは困難であるため,オンラインでのチュートリアル動画が広く利用されている.また,IoTプログラミング学習では,動画の内容やソースコード,ユーザの手元にあるデバイスや回路と言った複数の要素を意識して学習していく必要がある.そのため,初学者は複数の要素のどれを意識すればいいのか・どこから見ればいいのか,分からずに困ってしまうということがある.また,チュートリアル動画は,従来のテキスト形式と比較すると,ソースコードとのリンクが弱く,動画上のデバイスの挙動の詳細理解が難しいという問題がある.
そこで本研究では,IoTデバイスのチュートリアル動画にスクリプト言語を埋め込むことで,実世界のIoTデバイスとWeb上でのソースコード提示を制御し,動画視聴者の学習を支援するシステムを提案・開発する.本システムでは,動画上のデバイスの動きに対応して,実世界のデバイス操作とソースコードの提示を行うことができる.たとえば,動画でデバイスのLEDが光ると,ユーザの手元のデバイスのLEDも光り,システム画面でLED点灯のソースコードが表示される.システムを用いることで,動画視聴者のデバイスに関する理解度の上昇やモチベーションの向上といった効果が期待できる.


発表

  • 川谷 知寛, 塚田 浩二, 栗原 一貴. IoTeach: 実世界と順序型コンテンツを連携したIoT学習支援システムの試作と評価. コンピュータ ソフトウェア, 2023, 40 巻, 3 号, p. 3_97-3_112. 2023-08-29.  https://doi.org/10.11309/jssst.40.3_97
  • Tomohiro Kawatani, Koji Tsukada, and Kazutaka Kurihara. IoTeach:Learning Support System for IoT Programming by Integrating Real Devices and Sequential Contents. In Companion Proceedings of the 28th International Conference on Intelligent User Interfaces (IUI ’23 Companion). pp.16–20. 2023-03. https://doi.org/10.1145/3581754.3584121
  • 川谷 知寛,塚田 浩二,栗原 一貴.実世界と順序型コンテンツを連携したIoTプログラミング学習支援システム.登壇発表(ロング).WISS2021予稿集,pp.43-49.2021-12.[PDF]【サイバーエージェント賞】
  • 川谷 知寛,塚田 浩二,栗原 一貴.実世界と動画を連携したIoTプログラミング学習支援システム.インタラクション2021論文集,インタラクティブ発表(プレミアム発表),1A01,pp.103-108,2021-03.[PDF]


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