二次元アイドルの衣装デザインを用いた小物制作支援システムの提案

近年,二次元アイドルという文化が登場している.二次元アイドルとは,漫画やアニメ,ゲームなどに登場する架空のアイドルのことであり,好きなアイドルを創作を通して応援する活動も盛んである.例えばアイドルの衣装をもとにした小物制作が行われている.しかし,アイドルの衣装をもとにした小物制作は衣装のデフォルメや布の選定,縫製,といった作業が必要であり,初心者には難易度が高い.
本研究では,主に裁縫初心者を対象として二次元アイドルの衣装デザインをもとにした小物制作を支援するツールを提案する.入力した衣装画像に対し画像処理を行うことでデザインの単純化や編集を支援し,作成したデザイン/縫製補助用の目印を含む型紙の生成と出力を行うことで,小物制作の負担を軽減することを目指す.

システムで作成したデザインと、UVプリンタで印刷して縫製して制作した小物(ポーチ)

発表

  • 計良 美来,沖 真帆,塚田 浩二, 二次元アイドルの衣装デザインを用いた小物制作支援システムの提案, インタラクション2020論文集,インタラクティブ発表,1B-57,pp.384-387, 2020-03-09. [PDF]

ダンスにおけるアイソレーション練習支援システム

ストリートダンスの上達のためには,基礎動作の練習が重要である.ダンスストリートダンスの基礎動作の一つとして,「アイソレーション」(以下,「アイソレ」)という動作がある.これは,体の一部(可動部)のみ動かし,その他の部位(軸部)をしっかり止めるという基礎動作である.可動部の動作方向は前後/左右/円周等ある.この動作を自主練で習得する際,鏡で見ながら練習するのが一般的である.しかし,ダンス初級者が一人で鏡を見ながら練習しても,知識が乏しいため,アイソレができているかどうか判断するのは難しく,また可動部によっては顔を動かすため,目視判断するのも困難である.

本研究では,特に左右のアイソレに着目し,初級者が一人でも利用可能な,スマートフォンとスマートウォッチを中心とした,アイソレ練習支援システムを提案する.その際,練習中に振動でアイソレの誤動作を通知し,練習後に測定した加速度のグラフ,比較用の加速度グラフ,上級者の見本動画などでフィードバックを与え,自分のアイソレについて理解できるようにする.これにより初級者が正しいアイソレを習得し,実際のダンスでリズムに乗って使用できるようになるのを目標とする.

システム全体の流れ、および、プロトタイプ外観

 

発表

  • 土居 将史,塚田 浩二,ダンスにおけるアイソレーション練習支援システム,インタラクション2019論文集,インタラクティブ発表,3B-19,pp.773-777,2019.[PDF]

透紙: 紙媒体の質感を拡張する表現手法の提案

紙媒体にはコストの安さや扱いやすさなどの利点があるが,静的な表現しかできないため,表現の多様性に欠けている.本研究では,紙媒体の表現力を拡張するシステム「透紙(すかし)」を提案する.インタラクティブなバックライトと様々なテクスチャのフィルターを用いて紙媒体を背面から照らし,そのテクスチャを透過させることで紙媒体への多様な表現の付与とその活用を目指す.

透紙デバイス外観
効果例:和紙のテクスチャ+写真
効果例:特殊型フィルター(夜景の強調)

発表

  • 杉山 圭 , 沖 真帆 , 塚田 浩二,透紙: 紙媒体の質感を拡張する表現手法の提案と評価,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集, pp.255-259, Sep, 2018.【 ベストペーパー賞(ノート)受賞[PDF]
  • 杉山 圭,沖 真帆,塚田 浩二,透紙: 紙媒体の質感を拡張する表現手法の提案,WISS2017論文集,1-A16,Dec,2017. [PDF]
  • 杉山 圭 , 沖 真帆 , 塚田 浩二, 透紙: 紙媒体の質感を拡張する表現手法の提案, エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集, pp.441-443, Sep, 2017. [PDF]

ダンスバトルを盛り上げるウェアラブルデバイスの提案

近年,新学習指導要項での中学校保健体育における必修化の影響もあり,ダンスに対する関心が高まりつつある.ダンスの形式には大きく分けて,事前に決めた振付や曲に合わせて踊るショーケースと,DJ がランダムに選んだ曲に合わせて即興で踊り腕を競うバトルがある.本研究では,後者のバトル形式に着目し,リアルタイムに演者の動きや審査員の反応を取得し,ダンスの演出を支援するウェアラブルデバイスを提案する.


システム構成図.ダンサーの動きを帽子に組み込んだ加速度センサで取得し,ダンスバトルの勝敗を判定するジャッジの心拍をスマートウォッチで取得する.この「ダンサーの動き」「ジャッジの反応」と,バトルの「残り時間」の3要素を,帽子に組み込んだLEDテープで視覚化し,観客も交えてダンスバトルをより盛り上げることを狙う.


帽子デバイスの表現の一例.ダンサーの動きの大小や,ジャッジの心拍の大小に応じて,帽子のLEDテープの光る色/強さ/パターンが変化する.

発表

  • 小林 真弓,沖 真帆,塚田 浩二,ダンスバトルを盛り上げるウェアラブルデバイスの提案 ,インタラクション2017論文集,インタラクティブ発表,pp.460-463, 2-504-21, Mar, 2017.[PDF]

FabClock: 柔軟な時間表現を行うツールキットの提案

FabClockは,筐体/機能共に拡張性を持たせた,ユーザーの好みに合わせて柔軟な時間表現を行うことができる壁時計ツールキットです.入手性の高い最低限の部材で構成されており,レーザーカッターを使用できる環境があれば,世界中で誰でも簡単に製作できることを目標に設計をしています.筐体はレーザーカッターを用いた部品で構成されるため,ユーザーの好みに合わせた形状の筐体を製作することができます.FabClockには60個のフルカラーLEDが実装されているLEDテープが,筐体の外側の円周に配置されており,壁に光を投影することで,その光の位置や色などにより,時間表現を行います.また,そのLEDテープを制御するマイコンにはBluetoothモジュールが搭載されており,専用のスマートフォンアプリを用いて,ユーザーは時間表現の柔軟な制御を行うことができます.

発表

  • 太田 啓介,沖 真帆,塚田 浩二, FabClock: 柔軟な時間表現を行う壁時計ツールキットの提案, ソフトウェア科学会 WISS2015論文集, pp.115-116, 1-R03, Dec,2015. [PDF]
  • 作品展示.太田 啓介,塚田 浩二,「FabClock」,GUGEN2015,秋葉原コンベンションホール,2015/12/19.

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