スマートウォッチを用いた共創的モノづくり環境のための動画マニュアル制作支援システム

FabLab 等のファブコミュニティにおいては,ユーザは 3D プリンタ等を用いた作品だけでなく,それを他者にシェアするための手順書の作成も期待されている.しかし,こうした手順書作成の負担は大きいため,実現されないことも多い.また,画像やテキスト中心の従来の手順書では細かい手技等は表現できないため,ユーザに一定の知識や技術を暗に要求してしまう問題もある.

本研究では,スマートウォッチとスマートフォンを組み合わせることで,机上での組み立て操作を手軽に記録/編集して,動画マニュアルの作成を支援するシステムを提案する.まず,モノづくり中の組立動作を両腕に付けたスマートウォッチと机上に固定したスマートフォンで記録し,モーションデータ/動画を Web 上に保存する.次に,モーションデータを元に特徴的な動作に対して,動画に手動/自動でタグ付けを行うことで,自動的にチャプターや字幕が作成され,動画マニュアルのドラフトとして活用できる.

デバイス構成と利用時の様子
システム構成
スマートウォッチを用いた収集データの一例.
特に右手(利き手)のセンサデータに特徴が見られる.

発表

  • 会津 慎弥, 塚田 浩二, スマートウォッチを用いたモノづくりマニュアル作成支援システムの提案, 情報処理学会研究報告, 2018-HCI-180(9), pp.1-7, Nov,2018. [PDF]
  • Shinya Aizu and Koji Tsukada, Support System for Creating Manufacturing Manual using Smart Watches, In Proceedings of the 2018 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing and Proceedings of the 2018 ACM International Symposium on Wearable Computers (UbiComp ’18). pp. 323-326, Oct, 2018.[PDF]
  • 会津 慎弥,塚田 浩二, スマートウォッチを用いたモノづくりの動作検出に対する試み,WISS2017論文集,1-A07 ,Dec,2017. [PDF]

SlipWatcher : スマートウォッチを利用した行動確認装置

日常生活の中で何度も繰り返される行動は,無意識に行われることが多く,やり忘れが起こりやすい.さらに,実際には忘れていなくても,記憶が曖昧で不安に駆られることがある.例えば,外出する際に鍵を閉めたか,ガスの元栓は閉めたか,部屋の照明は消したか,などが心配になる場合がある.こうした状況では,現場に戻って確認すれば不安は解消されるが,現実的には困難であり,不安を抱えたまま1日を過ごすことも多い.そこで本研究では,ヒューマンエラーの一種であるAction Slipの脱落という種類のエラーに注目し,スマートウォッチやスマートフォン,RFIDを搭載した自作デバイスを活用することで,記憶の曖昧な行動を手軽に振り返ることができるシステム「SlipWatcher」を提案する.行動を記録し振り返る手段を提供することで,Action Slipへの気づきを促したり,現場に戻り行動の確認をする必要なく不安を取り除くことが期待される.

発表

  • 蛯名真紀,沖真帆,塚田浩二.SlipWatcher: スマートウォッチを利用した行動確認装置.ソフトウェア科学会 WISS2016 論文集,pp. 291-292, 2016. [pdf]

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